しきさいGeoTIFF・大気 | 雪氷 | 陸圏 | 海洋 | L1B

Level2 / Level3 大気プロダクト

プロダクト名をクリックすると、プロダクトの内容を確認頂けます。
複数の観測波長のSD配列(データセット)がある場合は、一部を表示しています。

陸海上エアロゾル特性(ARNP) [陸海上エアロゾル光学的厚さ(AROT)/ 陸海上エアロゾルオングストローム指数(ARAE)/ 陸海上エアロゾル単一散乱アルベド(ASSA)]

Level2プロダクトは、陸海上エアロゾル光学的厚さ(AROT)、陸海上エアロゾルオングストローム指数(ARAE)、陸海上エアロゾル単一散乱アルベド(ASSA)を1つのHDF5ファイルとしてタイル単位で提供します。 (タイルプロダクトについては、FAQ https://shikisai.jaxa.jp/faq/faq0080_j.htmlをご覧ください。)
Level2全球プロダクトは、Level2同様の物理量構成ですが、EQA(sinusoidal equal area)図法で提供します。
Level3プロダクトは、個別の物理量プロダクトとして全球単位で提供します。
G-Portal:HDF5
G-Portal加工要求:GeoTIFF
JASMES:NetCDF4

物理量等

陸海上エアロゾル光学的厚さ(AROT)

可視・近赤外域反射率や偏光観測を用いて推定した陸上・海洋上エアロゾルの光学的厚さ

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level3:1/12deg(9.3km)

Level2

Level2全球

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

陸海上エアロゾルオングストローム指数(ARAE)

可視・近赤外域反射率や偏光観測を用いて推定した陸上・海洋上エアロゾルのオングストローム指数(粒子の大小)

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level3:1/12deg(9.3km)

Level2

Level2全球

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

陸海上エアロゾル単一散乱アルベド(ASSA)

可視・近赤外域反射率や偏光観測を用いて推定した陸上・海洋上エアロゾルの陸上の単一散乱アルベド

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level3:1/12deg(9.3km)

レベル2

レベル2全球

レベル3(1日統計)

レベル3(8日統計)

レベル3(1月統計)

雲種別雲量等(CLPR)[雲種別雲量(CLTYPE, CFRx)/ 雲頂温度(CLTT)/ 雲頂高度 (CLTH) / 水雲光学的厚さ(COTW)/ 水雲粒径(CERW)/ 氷晶雲光学的厚さ(COTI)/ 氷晶雲粒径]

Level2プロダクトは、雲種別雲量(CLTYPE, CFRx)、雲頂温度(CLTT)、雲頂高度(CLTH)、水雲光学的厚さ(COTW)、水雲粒径(CERW)、氷晶雲光学的厚さ(COTI)、氷晶雲粒径を1つのHDF5ファイルとしてタイル単位で提供します。 (タイルプロダクトについては、FAQ https://shikisai.jaxa.jp/faq/faq0080_j.htmlをご覧ください。)
Level2全球プロダクトは、Level2同様の物理量構成ですが、EQA(sinusoidal equal area)図法で提供します。
Level3プロダクトは、個別の物理量プロダクトとして全球単位で提供します。氷晶雲粒径の提供はありません。
G-Portal:HDF5
G-Portal加工要求:GeoTIFF
JASMES:NetCDF4

物理量等

雲種別雲量

Level2/ Level2全球:CLTYPE (Bit flag)

Level3:CFRx

国際衛星雲気候計画(ISCCP)の分類に基づく雲タイプ別の雲量
x:1-9、A、H、L、M

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level3:1/12deg(9.3km)

Level2

Level2全球

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

雲頂温度(CLTT)

雲頂の温度

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level3:1/12deg(9.3km)

Level2

Level2全球

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

雲頂高度(CLTH)

雲頂の高度

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level3:1/12deg(9.3km)

Level2

Level2全球

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

水雲光学的厚さ(COTW)

水雲の光学的厚さ

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level3:1/12deg(9.3km)

Level2

Level2全球

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

水雲粒径(CERW)

雲粒の有効半径

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level3:1/12deg(9.3km)

Level2

Level2全球

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

氷晶雲光学的厚さ(COTI)

氷雲の光学的厚さ

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level3:1/12deg(9.3km)

Level2

Level2全球

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

氷晶雲粒径

雲粒の有効半径

分解能

Level2:1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level2

Level2全球

雲フラグ(CLFG)

Level2プロダクトは、タイル単位のHDF5ファイルとして提供します。 (タイルプロダクトについては、FAQ https://shikisai.jaxa.jp/faq/faq0080_j.htmlをご覧ください。)
Level2全球プロダクトは、EQA(sinusoidal equal area)図法で提供します。
Level3プロダクトの提供はありません。
G-Portal:HDF5
G-Portal加工要求:GeoTIFF
JASMES:NetCDF4

物理量等

雲フラグ・タイプ(CLFG)

雲タイプ及び雲相(水滴・氷晶)の分類を含む雲識別フラグ

分解能

Level2:250m、1km

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level2

Level2全球

大気上端放射輝度(晴天)(LCLR)

Level2全球ロダクトは、EQA(sinusoidal equal area)図法で提供します。
G-Portal:HDF5
JASMES:NetCDF4

物理量等

大気上端放射輝度(晴天)(LCLR)

大気上端(TOA)放射輝度のうち晴天画素のみを残したもの

分解能

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level2全球

大気上端放射輝度(LTOA)

Level2全球プロダクトは、EQA(sinusoidal equal area)図法で提供します。
G-Portal:HDF5
JASMES:NetCDF4

物理量等

大気上端放射輝度(LTOA)

大気上端放射輝度の全球データ

分解能

Level2全球:1/24deg(4.6km)

Level2全球

しきさいデータのGeoTIFFデータを利用するには、以下の方法があります。

・標準データをG-Portalから入手して、ツールを用いてい変換する方法

  • -CUI:GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール(下記の「使用ツール」からダウンロードサイトへリンクしています。)
  • -GUI:フォーマット変換ツール(ツール名をクリックすると、ダウンロードページに移動します)

・netCDFデータをJASMESサイトから入手して、GeoTIFF変換する方法

  • QGISの形式変換等によりGeoTIFF変換できます。全球データは、経度180度が中心となっていますので、必要に応じて参照座標系の設定が必要です。下記資料にQGISでの設定方法を掲載しています。
  • コマンドラインでの変換方法は、以下のFAQをご覧ください。
  • https://shikisai.jaxa.jp/faq/faq0092_j.html

・G-Portalの加工要求からGeoTIFFを選択して入手する方法

使用ツール

G-Portalから入手したHDF5「しきさい画像」を、地図投影画像に変換し、GeoTIFFファイルで出力する方法を紹介します。
ツール名をクリックすると、ダウンロードサイトへリンクします。

対象プロダクト 使用ツール  

Level2(L2)
Level2統計(L2統計)

GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール
G-Portal内の「ツール・ドキュメント」ページにリンクします。
G-portal:Windows, Linux

Level3(L3)

QGIS(Quantum GIS)/gdal
外部サイト:英語版へリンクしますが、画面右の「English ▼」で「日本語」選択で日本語版になります。
Windows、Linux等

上記、使用ツールと下記サンプルデータを使ったGeoTIFFファイル出力方法を説明します。

サンプルデータ

G-Portalからのダウンロードをお願いします。

Level2 ARNP:
2022年09月16日観測 日本海周辺(タイル番号:0528) 昼間
GC1SG1_20220916D01D_T0528_L2SG_ARNPK_3003.h5(4MB)

Level3 AROT:
2022年07月月平均 世界 昼間
GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_AROTC_3000.h5(10MB)

1)Level2プロダクト(単一SD配列)変換時のコマンド例

Windowsの「コマンドプロンプト」等で、「SGLI_geo_map_win.exe」のあるディレクトリへ移動します。
Windowsの「コマンドプロンプト」は、Windows スタート > Windows システムツール > コマンド プロンプト をクリックすると、起動できます)
下記は、Cドライブ直下のsgli_dataフォルダにSGLI_geo_map_win.exeとデータを格納したdataフォルダがある例です。

コマンドは、Image_data内のSD配列 AROTを地図投影して、LZW圧縮した1つのGeoTIFFファイルとして出力します。
画素値65535を無効値として設定し、attribute(テキスト情報)内のslope、offset値をGDAL_METADATAタグに格納します。
値は、GeoTIFF変換時に一緒に出力されるxmlファイル内の、タグで確認できます。

>cd C:\sgli_data
>SGLI_geo_map_win.exe c:\sgli_data\data\GC1SG1_20220916D01D_T0528_L2SG_ARNPK_3003.h5 -d Image_data/AROT -r 0 -a default -n 65535 -z -o c:\sgli_data

コマンド説明

オプションコマンドの詳細は、取扱説明書をご確認ください。

  • SGLI_geo_map_win.exe:Windows版 GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール
  • GC1SG1_20220916D01D_T0528_L2SG_ARNPK_3003.h5:G-Portalから入手したプロダクト名
  • -d Image_data/AROT:変換対象のSD配列(データセット)名
  • -r 0:リサンプリング法(NN)
  • -a default:物理量等の変換係数(slope/offset)を設定。QGISのようにソフトウェアが対応していれば、変換後の値が表示されます(データは、元の値を維持します)。
  • -n 65535:無効値の指定
  • -z:LZW圧縮の適用
  • -o C:\sgli_data:任意の出力先を指定

変換されたGeoTIFFファイルに格納されるTag情報については、<GeoTIFF Tag情報>を参照ください。

変換画像をQGISで表示

2)Level2プロダクトの複数SD配列を1ファイルにまとめる例

Windowsの「コマンドプロンプト」等で、「SGLI_geo_map_win.exe」のあるディレクトリへ移動します。
(Windowsの「コマンドプロンプト」は、Windowsスタート > Windows システムツール > コマンドプロンプトをクリックすると、起動できます)
下記は、Cドライブ直下のsgli_dataフォルダにSGLI_geo_map_win.exeとデータを格納したdataフォルダがある例です。

コマンドは、Image_data内のSD配列 AROT、QA_flagを地図投影して、LZW圧縮した1つのGeoTIFFファイルとして出力します。
画素値65535を無効値として設定し、attribute(テキスト情報)内のslope、offset値をGDAL_METADATAタグに格納します。
値は、GeoTIFF変換時に一緒に出力されるxmlファイル内の、タグで確認できます。
※物理量1ファイルとQA_flagの2ファイルを出力して、QGISで表示する場合は、レイヤプロパティ > シンボロジ > レンダリングタイプを単バンドグレーにして表示します。

>cd C:\sgli_data
>SGLI_geo_map_win.exe C:\sgli_data\GC1SG1_20220916D01D_T0528_L2SG_ARNPK_3003.h5 -c AROT,QA_flag -r 0 -a default -n 65535 -o C:\sgli_data

コマンド説明

オプションコマンドの詳細は、取扱説明書をご確認ください。

  • SGLI_geo_map_win.exe:Windows版 GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール
  • GC1SG1_20220916D01D_T0528_L2SG_ARNPK_3003.h5:G-Portalから入手したプロダクト名
  • -c AROT, QA_flag:変換対象のSD配列(データセット)名
  • -r 0:リサンプリング法(NN)、モザイクすることを考慮。
  • -a default:物理量等の変換係数(slope/offset)を設定。QGISのようにソフトウェアが対応していれば、変換後の値が表示されます(データは、元の値を維持します)。
  • -n 65535:無効値の指定
  • -z:LZW圧縮の適用
  • -o C:\sgli_data:任意の出力先を指定

変換されたGeoTIFFファイルに格納されるTag情報については、<GeoTIFF Tag情報>を参照ください。

変換画像をQGISで表示

3)Level3プロダクト変換時のgdalコマンド例

gdalコマンドを利用するため、OSgeo4W Shellを起動します。
(OSgeo4W Shellは、通常のインストールであれば、Windows スタート > QGIS 3.22.8 > OSgeo4W Shell をクリックすると起動できます。)
GeoTIFF変換するデータが格納されているディレクトリに移動します。

下記は、Cドライブ直下のsgli_dataフォルダに変換するデータがある例です。
コマンドは、Image_data内のSD配列 AROT_AVEを地図投影して、LZW圧縮したGeoTIFFファイルとして出力します。
画素値65535を無効値として設定し、attribute(テキスト情報)内のslope、offset値をGDAL_METADATAタグに格納します。
slope、offset値は、gdalinfoコマンドやHDFView(ツールのダウンロードが必要です)等で確認できます。
表示例は、<Level2/Level3大気プロダクトのSD配列名確認方法>をご覧ください。

>cd C:\sgli_data
>gdal_translate -of GTiff -a_srs EPSG:4326 -a_ullr -180 90 180 -90 -a_nodata 65535 -a_scale 9.9999997e-05 -a_offset 0 -co COMPRESS=LZW HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_AROTC_3000.h5"://Image_data/AROT_AVE L3AROT_202207_01M.tif

コマンド説明
  • gdal_translate:フォーマット変換コマンド
  • -of GTiff:GeoTIFF出力
  • -a_srs EPSG:4326:入力ファイルの参照座標系を指定します。
  • -a_ullr -180 90 180 -90:左上(-180 90)、右下(180 -90)の座標値を指定します。
  • -a_nodata 65535:無効値の設定
  • -a_scale, -a_offset:slope、offset値を設定します。
  • -co COMPRESS=LZW:LZW圧縮を設定します。
  • HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_AROTC_3000.h5"://Image_data/AROT_AVE:gdalinfoで表示したときの変換対象のSUBDATASE_X_NAMEの情報(X:数字)
  • L3AROT_202207_01M.tif:出力ファイル名を指定します。

変換画像をQGISで表示

4)Level2/Level3プロダクトのQA_flag適用のgdalコマンド例

「GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール」で作成したLSTデータに、QA_flagの情報を適用する例を紹介します。
「GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール」のオプション「-c」で、AROTとQA_flagをGeoTIFFに変換しておきます。
以下のコマンドは、AROTを含むARNPのQAに設定されている1画素内の4-5bit(信頼性低い)、13bit(表面反射率が不確か)目のフラグがそれぞれ11(3)、1(1)以外のデータを抽出します。フラグは「0」または「1」です。
AROTのQA_flagの情報は、EORC GCOM-Cサイトの「プロダクトとアルゴリズム」( (https://suzaku.eorc.jaxa.jp/GCOM_C/data/update/Algorithm_ARNP_ja.html)でご確認頂けます。

>cd C:\sgli_data
>gdal_calc -A GC1SG1_20220916D01D_T0528_L2SG_ARNPK_3003_AROT_QA_flag.tif --A_band=2 --outfile=L2ARNP_AROT0528D01D_QA.tif --calc="(((A >> 4) & 3) < 3) * (((A << 13) & 1) == 0) * ((A & 1) == 0) * 1" --NoDataValue=65535

コマンド説明
  • gdal_calc:データ内の計算をするgdalコマンド
  • -A:計算式で使用するファイル名を「A」に設定
  • GC1SG1_20220916D01D_T0528_L2SG_ARNPK_3003_AROT_QA_flag.tif:計算対象のファイル名
  • --A_band=2:GeoTIFF内のQA_flagの格納順番を設定
  • --outfile:計算結果の出力ファイル名を任意に設定
  • --calc:計算式を設定
  • (((A >> 4) & 3) < 3):はじめにbit情報を4bit分、右にずらし、上位bitのみを残します。また、bitのand(& 3)計算して4-5bit目を抽出し、11(3)未満を残します。
  • (((A >> 13) & 1) == 0):はじめにbit情報を13bit分、右にずらし、上位bitのみを残します。また、bitのand(& 1)計算して13bit目を抽出し、13bit目が"0"を残します。
  • ((A & 1) == 0):bitのand(& 1)計算して0bit目(有効値)のみを残します。条件式を満たせば、"1"を設定します。便宜上、"*1"を設定していますが、式を満たせば"1"となりますので、"*1"は設定しなくても支障ありません。
  • --NoDataValue:無効値を設定

<bit計算例>
※A >> 4 または、right_shift(A, 4)・・・・Aのある画素値(10進数:18431)「0100011111111111」があったとすると、
4個分右にシフトします。「010001111111」のデータになります。
※※A & 3 または、bitwise_and(A, 3) ・・・・Aの画素値に対して「11」(10進数:3)のビット演算をします。元データの4-5bitを抽出します。

010001111111(1151)
&000000000011(3)
---------------------------------
000000000011(3)

(0 and 0 -->0, 1 and 1 --> 1, 0 and 1 --> 0)

作成したQA_flagデータを用いたAROTデータを作成します。

>gdal_calc -A GC1SG1_20220916D01D_T0528_L2SG_ARNPK_3003_AROT_QA_flag.tif --A_band=1 -B L2ARNP_AROT0528D01D_QA.tif --outfile=L2ARNP_AROT0528D01D_addQA.tif --calc="((A <= 5000) * (B == 1)) * A + ((A <= 5000) * (B == 0)) * 65535 + ((A > 5000) * (B == 0)) * 65535 + ((A > 5000) * (B == 1)) * 65535" --NoDataValue=65535

コマンド説明
  • gdal_calc:データ内の計算をするgdalコマンド
  • -A, -B:計算式で使用するファイル名を「A」及び「B」に設定
  • GC1SG1_20220916D01D_T0528_L2SG_ARNPK_3003_AROT_QA_flag.tif:計算対象のファイル名「A」に設定
  • L2ARNP_AROT0528D01D_QA.tif:フラグを抽出したファイル名「B」に設定
  • --A_band=1:GeoTIFF内の物理量AROTデータの格納順番を設定定
  • --outfile:計算結果の出力ファイル名を任意に設定
  • --calc:計算式を設定
  • ((A <= 5000) * (B == 1)) * A:Aデータが有効値内で、Bデータが"1"はAの値をそのまま残します。
  • ((A <= 5000) * (B == 0)) * A:Aデータが有効値内で、Bデータが"1"のデータを無効値に割り当てます。
  • ((A >5000) * (B == 0)) * 65535:Aデータが有効値外で、Bデータが"0"のデータを無効値に割り当てます。
  • ((A > 5000) * (B == 1)) * 65535:Aデータが有効値外で、Bデータが"1"のデータを無効値に割り当てます。

gdal_editでslope/offsetを設定します。

>gdal_edit -scale 9.9999997e-05 -offset 0 L2ARNP_AROT0528D01D_addQA.tif

QA_flagを適用したAROT画像をQGISで表示

Level3プロダクトのQA_flagの適用もLevel2と同様です。QA_flagは8bitデータです。必要に応じて適用してください。
以下は、入力データがない画素、エラーフラグのある画素を除外する例です。

>gdal_translate -of GTiff -a_srs EPSG:4326 -a_ullr -180 90 180 -90 -co COMPRESS=LZW HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_AROTC_3000.h5"://Image_data/AROT_QA_flag L3AROT_202207_01M_QAflag.tif
>gdal_calc -A L3AROT_202207_01M_QAflag.tif --outfile=L3AROT_202207_01M_QAflag_cal.tif --calc="(A > 253) * 0 + (A <= 253) * 1"
>gdal_calc -A L3AROT_202207_01M.tif -B L3AROT_202207_01M_QAflag_cal.tif --outfile=L3AROT_202207_01M_addQA.tif --calc="(A <= 50000) * (B == 1) * A + (A <= 50000) * (B == 0) * 65535 + (A > 50000) * (B == 0) * 65535 + (A > 50000) * (B == 1) * 65535" --NoDataValue=65535

コマンド説明
  • gdal_translate:フォーマット変換コマンド
    コマンドの内容は、「3) Level3プロダクト変換時のgdalコマンド例」を参照ください。
  • gdal_calc:データ内の計算をするgdalコマンド
    はじめのgdal_calcでは、QA_flagの有効範囲以外を"0"、有効範囲内を"1"に設定しています。
    2番目のgdal_calcは、以下の通りです。
  • -A、 -B:計算式で使用するファイル名を「A」及び「B」に設定
  • L3AROT_202207_01M.tif:計算対象のファイル名「A」に設定
  • L3AROT_202207_01M_QAflag_cal.tiff:フラグを抽出したファイル名「B」に設定
  • --outfile:計算結果の出力ファイル名を任意に設定
  • --calc:計算式を設定
  • (A <= 50000) * (B == 1) * A:Aデータが有効値内で、Bデータが"1"のデータはAの値をそのまま残します。ここで、slope/offsetを用いた計算も可能です。
  • (A <= 50000) * (B == 0) * 65535:Aデータが有効値内で、Bデータが"0"のデータを無効値に割り当てます。
  • (A > 50000) * (B == 0) * 65535:Aデータが有効値外で、Bデータが"0"のデータを無効値に割り当てます。
  • (A > 50000) * (B == 1) * 65535:Aデータが有効値外で、Bデータが"1"のデータを無効値に割り当てます。

gdal_editでslope/offsetを設定します。

>gdal_edit -scale 9.9999997e-05 -offset 0 L3AROT_202207_01M_addQA.tif

QA_flagを適用したAROT画像をQGISで表示

5)Level2/Level3大気プロダクトのSD配列名確認方法

SD配列名の概要については、下記<Level2/Level3大気プロダクトのSD配列名>をご覧ください。
詳細については、EORC GCOM-C「標準プロダクトとアルゴリズム」のサイトをご確認ください。

SD配列は、以下の方法でもご確認いただけます。Level3プロダクトのGeoTIFF変換では、gdalinfoをご利用ください。

gdalinfo HDFView

QQGISを標準インストールしている場合は、OSGeo4W Shellをご利用ください。
(スタートメニュー > QGIS 3.22.8 > OSGeo4W Shell)バージョン3.22の場合
変換対象のデータがあるディレクトリへ移動して、gdalinfoの後にファイル名を入力します。
Image_data_xxx_Offset, Slopeが、gdalではoffset, scaleに対応します。
「Image_data/」の後ろが配列名です。gdalでの変換には、下線部分を指定します。

Level3 AROTの表示例
(1)Image_data内のSD配列名
(2)Geometry_data内のSD配列名(含まれない場合フォルダのみ)
(3)AROT_AVEの付加情報、slope, offset情報等

>gdalinfo GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_AROTC_3000.h5

Image_data_AROT_AVE_Error_DN=65535
Image_data_AROT_AVE_Maximum_valid_DN=50000
Image_data_AROT_AVE_Minimum_valid_DN=0
Image_data_AROT_AVE_Offset=0
Image_data_AROT_AVE_Slope=9.9999997e-05
Image_data_AROT_AVE_Unit=Dimensionless
・・・・・・
Subdatasets:
SUBDATASET_1_NAME=HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_AROTC_3000.h5"://Image_data/AROT_AVE
SUBDATASET_1_DESC=[2160x4320] //Image_data/AROT_AVE (16-bit unsigned integer)
SUBDATASET_2_NAME=HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_AROTC_3000.h5"://Image_data/AROT_QA_flag
SUBDATASET_2_DESC=[2160x4320] //Image_data/AROT_QA_flag (8-bit unsigned character)


6)Level2/Level3大気プロダクトのSD配列名

  プロダクト名 物理量等 ID 主なSD配列名
Level2
雲フラグ

雲フラグ

CLFG

Cloud_flag

雲特性(雲種別雲量 等)

水雲・氷晶雲有効半径

CLPR

CLER_I、CLER_W

水雲・氷晶雲光学的厚さ

CLOT_I、CLOT_W

水雲頂高度

CLTH

雲頂温度

CLTT

雲種別雲量

CLTYPE

陸海上エアロゾル特性(非偏光&偏光)

陸海上エアロゾル光学的厚さ

ARNP

AROT、AROT_uncertainty

陸海上エアロゾルオングストローム指数

ARAE、ARAE_uncertainty

陸海上エアロゾル単一散乱アルベド

ASSA、ASSA_uncertainty
Level2全球
雲フラグ

雲フラグ

CLFG

Cloud_flag

雲特性(雲種別雲量 等)

水雲・氷晶雲有効半径

CLPR

CLER_I、CLER_W

水雲・氷晶雲光学的厚さ

CLOT_I、CLOT_W

雲頂高度

CLTH

雲頂温度

CLTT

雲種別雲量

CLTYPE

陸海上エアロゾル特性(非偏光&偏光)

陸海上エアロゾル光学的厚さ

ARNP

AROT、AROT_uncertainty

陸海上エアロゾルオングストローム指数

ARAE、ARAE_uncertainty

陸海上エアロゾル単一散乱アルベド

ASSA、ASSA_uncertainty

大気上端放射輝度(晴天)

大気上端放射輝度(晴天)

LCLR

Cloud_flag
Land_water_flag
Lt_P(1,2)_(0,m60,p60)
Lt_P(I,Q,U)(01,02)
Lt_SW(01-04)
Lt_TI(01,02)
Lt_VN(01-11,08P,11P)
Statistic_data_(SWI,TIR,VNI)

大気上端放射輝度

大気上端放射輝度

LTOA

Land_water_flag
Lt_P(1,2)_(0,m60,p60)
Lt_P(I,Q,U)(01,02)
Lt_SW(01-04)
Lt_TI(01,02)
Lt_VN(01-11)
Statistic_data_(SWI,TIR,VNI)
Level3
水雲有効半径

水雲有効半径

CERW

CLER_W_AVE

水雲光学的厚さ

水雲光学的厚さ

COTW

CLOT_W_AVE

氷晶雲光学的厚さ

氷晶雲光学的厚さ

COTI

CLOT_I_AVE

雲頂高度

雲頂高度

CLTH

CLTH_AVE

雲頂温度

雲頂温度

CLTT

CLTT_AVE

雲種別雲量

雲種別雲量

CFR(1-9)
CFR(A,H,L,M)

CFR(1-9)_Stat
CFR(A,H,L,M)_Stat

陸海上エアロゾル光学的厚さ

陸海上エアロゾル光学的厚さ

AROT

AROT_AVE

陸海上エアロゾルオングストローム指数

陸海上エアロゾルオングストローム指数

ARAE

ARAE_AVE

陸海上エアロゾル単一散乱アルベド

陸海上エアロゾル単一散乱アルベド

ASSA

ASSA_AVE

7)物理量変換方法

「GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール」でGeoTIFF変換した時に、同時に作成されるxmlファイルに物理量等変換の係数(slope/offset)が出力されます。
テキストエディタやブラウザで表示します。

以下は、AROTのxmlの例です。
<Data_description>内の計算式に、<Slope>、<Offset>の値を代入して、画素値の値を物理量に変換します。
<Data_description>Aerosol Optical Thickness at 500 nm | VAL=DN*Slope+Offset</Data_description>
<Offset>0.000000e+000</Offset>
<Slope>1.000000e-004</Slope>

gdalコマンドで計算する場合は、以下のコマンドで変換された値が格納されます。
Splope,Offset値は、「1.000000e-004, 0.000000e+000」のままでも問題ありません。

>gdal_calc -A input.tif --outfile=output.tif --type=Float32 --calc="A * 0.0001" --NoDataValue=65535

8)データ品質フラグ(QA Flag)の確認

プロダクトの品質フラグ(QA_Flag)は、16bitまたは8bitの各bitのON(1)、OFF(0)の情報として格納されています。
プロダクトの品質情報は、Ver.3情報の「標準プロダクト&アルゴリズム」 (https://suzaku.eorc.jaxa.jp/GCOM_C/data/product_std_j.html) の各プロダクトページ「QA_flag情報」で確認いただけます。

ビット番号 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 2 1 0
値(例) 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

9)GeoTIFF Tag情報

分類 Tag ID 名称
TIFF Field
258

BitPerSample

サンプルビット数

8 or 16
32(物理量変換時)

259

Compression

圧縮方式

1:圧縮なし
5:LZW(圧縮指定時)

257

ImageLength

イメージ長

画像のライン数

256

ImageWidth

イメージ幅

1ライン当たりのピクセル数

274

Orientation

走査方向

1:TopLeft(画像は表示どおりに保存)

262

PhotometricInterpretation

色表現形式

1:BlackIsZero(グレースケールイメージの0を黒として表示)

284

PlanarConfiguration

画像格納順

1:ピクセル優先モード(画素順次)(例)RGBRGBRGB……
2:プレーン優先モード(面順次)(例)RRR……GGG……BBB……

339

SampleFormat

データ種別

1:符号なし整数
3:単精度浮動小数点(物理量変換時)

277

SamplesPerPixel

画素サンプル数

格納チャンネル/バンド数

278

RowsPerStrip

ストリップあたりのライン数

ストリップあたりのイメージデータのライン数。

42112

GDAL_METADATA

GDAL_METADATA

設定によりslope, offset値が格納されます。

42113

GDAL_NODATA

GDAL_NODATA

GDALライブラリで使用され、透明として扱います。
GeoKey
34735

GeoKeyDirectoryTag

GeoKeyディレクトリ

GeoKeyディレクトリを格納

34736

GeoDoubleParamsTag

GeoDoubleパラメータ

Double値のGeoKeyを格納

34737

GeoAsciiParamsTag

GeoDoubleパラメータ

ASCII値のGeoKeyを格納。

33922

ModelTiepointTag

タイポイント

タイポイント情報。画像位置(I、J、K)と地理座標(X、Y、Z)
(I、J、K、X、Y、Z)で表示。

33550

ModelPixelScaleTag

ピクセルスケール

ピクセルの水平、垂直方向の間隔を指定。2次元ではScaleZ=0。
(ScaleX, ScaleY, ScaleZ)で表示。

1024

GTModelTypeGeoKey

地理座標情報種別

1:ModelTypeProjected(投影座標系)
2:ModelTypeGeographic(緯度-経度)

1025

GTRasterTypeGeoKey

ラスター種別

1:RasterPixelIsArea(1ピクセルがエリアを表す)

1026

GTCitationGeoKey

CRS引用

Geographic (Lat/Lon) / WGS84
PS / WGS84(PS指定時)

2054

GeogAngularUnitsGeoKey

角度単位

9102:Degree

2048

GeographicTypeGeoKey

地理座標系種別

4326:WGS84

2049

GeogCitationGeoKey

地理座標系引用

WGS 84(gdal変換時)

3072

ProjectedCSTypeGeoKey

投影参照系(ユーザ定義)

32767:ユーザ定義(PS指定時)

3073

PCSCitationGeoKey

投影引用

GeoASCII情報
Geographic (Lat/Lon) / WGS84
PS / WGS84(PS指定時)

3074

ProjectionGeoKey

投影方式

32767:ユーザ定義(PS指定時)

3075

ProjCoordTransGeoKey

座標変換方法

15:CT_PolarStereographic(PS指定時)

3076

ProjLinearUnitsGeoKey

投影原点東距

9001:Linear_Meter(PS指定時)

3081

ProjNatOriginLatGeoKey

原点緯度

71(北半球)、-71(南半球)投影面緯度(PS指定時)

3082

ProjFalseEastingGeoKey

投影原点東距

0(PS指定時)

3083

ProjFalseNorthingGeoKey

投影原点北距

0(PS指定時)

3095

ProjStraightVertPoleLongGeoKey

極から垂直な経度

0(PS指定時)