しきさいGeoTIFF・海洋 | 大気 | 雪氷 | 陸圏 | L1B

Level2 / Level3 海洋プロダクト

プロダクト名をクリックすると、プロダクトの内容を確認頂けます。
複数の観測波長のSD配列(データセット)がある場合は、一部を表示しています。

海面水温(SST)

Level2プロダクトは、シーン単位のHDFファイルとして提供します。
Level3プロダクトは、全球単位で提供します。
G-Portal:HDF5
G-Portal加工要求:GeoTIFF
JASMES:NetCDF4

物理量等

海面水温(SST)

海面の(バルク)温度(雲検知含む)

分解能

Level2 : 250m, 500m, 1km(観測による)
Level3 : 1/24deg(4.6km)

Level2

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

水中特性(クロロフィルa濃度等)(IWPR) [クロロフィルa濃度(CHLA)/ 懸濁物質濃度(TSM)/ 有色溶存有機物吸光係数(CDOM)]

Level2プロダクトは、クロロフィルa濃度(CHLA)、懸濁物質濃度(TSM)、有色溶存有機物吸光係数(CDOM)を1つのHDF5ファイルとしてシーン単位で提供します。
Level3プロダクトは、個別の物理量プロダクトとして提供します。
G-Portal:HDF5
G-Portal加工要求:GeoTIFF(個別ファイル)
JASMES:NetCDF4

物理量等

クロロフィルa濃度(CHLA)

植物プランクトンの主要な光合成色素の水中表層における濃度

分解能

Level2:250m(沿岸のみ)、 1km
Level3:1/24deg(4.6km)

Level2

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

懸濁物質濃度(TSM)

水中表層の懸濁物質量を単位水あたりの乾燥重量で表したもので、プランクトンなどの有機物と土壌などの無機物の合わせたもの

分解能

Level2:250m(沿岸のみ)、1km
Level3:1/24deg(4.6km)

Level2

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

有色溶存有機物吸光係数(CDOM)

波長412nmにおける水中表層に溶解している有機物による光吸収係数

分解能

Level2:250m(沿岸のみ)、1km
Level3:1/24deg(4.6km)

Level2

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

正規化海水射出放射輝度等(NWLR)[正規化海水射出放射輝度(NWLR_XXX)/ 光合成有効放射(PAR)/ 大気補正パラメータ(TAUA_XXX)]

Level2プロダクトは、正規化海水射出放射輝度(NWLR_XXX)、光合成有効放射(PAR)、 大気補正パラメータ(TAUA_XXX)を1つのHDF5ファイルとしてシーン単位で提供します。(XXX : 観測波長)
Level3プロダクトは、個別の物理量プロダクトとして全球単位で提供します。
G-Portal:HDF5
G-Portal加工要求:GeoTIFF(個別ファイル)
JASMES:NetCDF4

物理量等

正規化海水射出放射輝度(NWLR_XXX)

海面から射出する放射輝度(雲検知含む)

分解能

Level2 : 250m(沿岸のみ)、1km
Level3 : 1/24deg(4.6km)

Level2

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

光合成有効放射(PAR)

植物プランクトンが潜在的に光合成へ利用できる波長400-700nmの海面入射光量の海面における1日あたりの積算値

分解能

Level2 : 250m(沿岸のみ)、1km
Level3 : 1/24deg(4.6km)

Level2

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

物理量等

大気補正パラメータ(TAUA_XXX)

大気散乱などの影響を推定するために用いるエアロゾル光学的厚さや波長特性などの情報

分解能

Level2 : 250m(沿岸のみ)、1km
Level3 : 1/24deg(4.6km)

Level2

Level3(1日統計)

Level3(8日統計)

Level3(1月統計)

しきさいデータのGeoTIFFデータを利用するには、以下の方法があります。

・標準データをG-Portalから入手して、ツールを用いてい変換する方法

  • -CUI : GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール(下記の「使用ツール」からダウンロードサイトへリンクしています。)
  • -GUI : フォーマット変換ツール(ツール名をクリックすると、ダウンロードページに移動します)

・netCDFデータをJASMESサイトから入手して、GeoTIFF変換する方法

  • 流れ藻モニタ、内湾モニタからでは、地図投影済みのGeoTIFFデータが入手できます。
  • QGISの形式変換等によりGeoTIFF変換できます。全球データは、経度180度が中心となっていますので、必要に応じて参照座標系の設定が必要です。 下記資料にQGISでの設定方法を掲載しています。
  • コマンドラインでの変換方法は、以下のFAQをご覧ください。
  • https://shikisai.jaxa.jp/faq/faq0092_j.html

・G-Portalの加工要求からGeoTIFFを選択して入手する方法

使用ツール

ここでは、G-Portalから入手したHDF5「しきさい画像」を、地図投影画像に変換し、GeoTIFFファイルで出力する方法を紹介します。
ツール名をクリックすると、ダウンロードサイトへリンクします。

対象プロダクト 使用ツール  

Level2(L2)

GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール
G-Portal内の「ツール・ドキュメント」ページにリンクします。
G-portal:Windows, Linux

Level3(L3)
QGIS(Quantum GIS)/gdal 外部サイト:英語版へリンクしますが、画面右の「English ▼」で「日本語」選択で日本語版になります。
Windows、Linux等

GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツールでGeoTIFF出力して、QGISで表示した例。

ディセンディング(D)/昼間の画像

アセンディング(A)/夜間の画像

経度180度跨ぎ(デフォルト:等緯度経度)

経度180度跨ぎ(地図投影法:PS)

上記、使用ツールと下記サンプルデータを使ったGeoTIFFファイル出力方法を説明します。

サンプルデータ

G-Portalからのダウンロードをお願いします。

Level2 SST:
2022年09月09日観測 日本周辺 昼間
GC1SG1_202209090139J05310_L2SG_SSTDK_3001.h5(4MB)

Level2 NWLR:
2022年05月18日観測 日本周辺 昼間
GC1SG1_202205180155K05910_L2SG_NWLRK_3000.h5(17MB)

Level3 CHLA:
2022年07月月平均 世界 昼間
GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_CHLAF_3000.h5(19MB)

1)Level2プロダクト(単一SD配列)変換時のコマンド例

Windowsの「コマンドプロンプト」等で、「SGLI_geo_map_win.exe」のあるディレクトリへ移動します。
(Windowsの「コマンドプロンプト」は、Windows スタート > Windows システムツール > コマンド プロンプト をクリックすると、起動できます)
下記は、Cドライブ直下のsgli_dataフォルダにSGLI_geo_map_win.exeとデータを格納したSSTフォルダがある例です。

コマンドは、Image_data内のSD配列 SSTを地図投影して、LZW圧縮したGeoTIFFファイルとして出力します。
画素値65535を無効値として設定し、attribute(テキスト情報)内のslope、offset値をGDAL_METADATAタグに格納します。
値は、GeoTIFF変換時に一緒に出力されるxmlファイル内の<Slope>、<Offset>タグで確認できます。

>cd C:\sgli_data
>SGLI_geo_map_win.exe c:\sgli_data\SST\GC1SG1_202209090139J05310_L2SG_SSTDK_3001.h5 -d Image_data/SST -a default -n 65535 -z -o c:\sgli_data

コマンド説明

オプションコマンドの詳細は、取扱説明書をご確認ください。

  • SGLI_geo_map_win.exe:Windows版 GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール
  • c:\sgli_data\SST\:プロダクトの格納されているディレクトリ、ツールと同じディレクトリの場合は記述しなくても問題ありません。
  • GC1SG1_202209090139J05310_L2SG_SSTDK_3001.h5:G-Portalから入手したプロダクト名
  • -d Image_data/SST:変換対象のImage_data内のSD配列名(データセット名)
  • -a default:物理量等の変換係数(slope/offset)を設定。「reflectance」オプションがありますが、SSTの変換係数は1組のため「default」設定。QGISのようにソフトウェアが対応していれば、変換後の値が表示されます(データは、元の値を維持します)。
  • -n 65535:無効値の設定
  • -z:LZW圧縮の適用
  • -o C:\sgli_data:任意の出力先を設定

変換されたGeoTIFFファイルに格納されるTag情報については、<GeoTIFF Tag情報>を参照ください。

この変換では、エラー値等は除外されていませんので、GeoTIFF変換時に作成されるXMLファイルやSD配列 QA_flagの画素ごとの情報を使って無効値にします。
QA_flagから雲の影響が少ないSST画像を作成するには、QA_flag適用のgdalコマンド例をご覧ください。
画像の疑似カラー化については、以下のFAQをご覧ください。
https://shikisai.jaxa.jp/faq/faq0053_j.html

変換画像をQGISで表示

左下のレイヤ情報では、温度に変換された値が表示されます。有効値範囲外の値も変換されます。

2)Level2プロダクトの複数SD配列を1ファイルにまとめる例

Windowsの「コマンドプロンプト」等で、「SGLI_geo_map_win.exe」のあるディレクトリへ移動します。
(Windowsの「コマンドプロンプト」は、Windowsスタート > Windows システムツール > コマンドプロンプトをクリックすると、起動できます)
下記は、Cドライブ直下のsgli_dataフォルダにSGLI_geo_map_win.exeとデータを格納したNWLRフォルダがある例です。

コマンドは、Level2正規化海水射出放射輝度等プロダクトのImage_data内のSD配列、NWLR_670、NWLR_565、NWLR_490を地図投影して、GeoTIFFファイルとしてそれぞれ出力します。
画素値65535を無効値として設定して出力します。
個別に出力したGeoTIFFファイルを、gdal(QGIS)コマンドで3ファイルを1つのGeoTIFFに格納します。
最後にattribute(テキスト情報)内のslope、offset値をGDAL_METADATAタグに格納し、LZWで圧縮します。

はじめに、1つにまとめたいImage_data SD配列を、個別にGeoTIFF変換します。ここでは、RGB合成のための3ファイル分です。
変換が終われば、コマンドプロンプトは閉じてください。

>cd C:\sgli_data
>SGLI_geo_map_win.exe c:\sgli_data\NWLR\GC1SG1_202205180155K05910_L2SG_NWLRK_3000.h5 -d Image_data/NWLR_490 -a default -n 65535 -o c:\sgli_data\NWLR
>SGLI_geo_map_win.exe c:\sgli_data\NWLR\GC1SG1_202205180155K05910_L2SG_NWLRK_3000.h5 -d Image_data/NWLR_565 -a default -n 65535 -o c:\sgli_data\NWLR
>SGLI_geo_map_win.exe c:\sgli_data\NWLR\GC1SG1_202205180155K05910_L2SG_NWLRK_3000.h5 -d Image_data/NWLR_670 -a default -n 65535 -o c:\sgli_data\NWLR

コマンド説明

オプションコマンドの詳細は、取扱説明書をご確認ください。

  • SGLI_geo_map_win.exe:Windows版 GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール
  • c:\sgli_data\NWLR\:プロダクトの格納されているディレクトリ、ツールと同じディレクトリの場合は記述しなくても問題ありません。
  • GC1SG1_202205180155K05910_L2SG_NWLRK_3000.h5:G-Portalから入手したプロダクト名
  • -d Image_data/NWLR_XXX(波長):変換対象のImage_data内のSD配列名(データセット名)
  • -a default:物理量等の変換係数(slope/offset)を設定。「reflectance」オプションがありますが、ここでは「default」輝度値に設定。1つにまとめる時に、値がリセットされてしまいますので、単体で利用しなければ指定しなくても問題ありません。QGISのようにソフトウェアが対応していれば、変換後の値が表示されます(データは、元の値を維持します)。
  • -n 65535:無効値の設定
  • -o C:\sgli_data:任意の出力先を設定

変換されたGeoTIFFファイルに格納されるTag情報については、<GeoTIFF Tag情報>を参照ください。

次に、OSgeo4W Shellを起動します。
(OSgeo4W Shellは、通常のインストールであれば、Windowsスタート > QGIS 3.22.8 > OSgeo4W Shellをクリックすると起動できます。上記のGeoTIFF出力ツールも「OSgeo4W Shell」から利用できます。)

上記で作成した3ファイルを、NWLR_670に赤、NWLR_565に緑、NWLR_490に青を割当てて格納します。

>cd c:\sgli_data\NWLR
>gdal_merge -separate -of GTiff -a_nodata 65535 -ot UInt16 -co COMPRESS=LZW -o NWLR_R670_G565_B490.tif
GC1SG1_202205180155K05910_L2SG_NWLRK_3000_NWLR_670.tif
GC1SG1_202205180155K05910_L2SG_NWLRK_3000_NWLR_565.tif
GC1SG1_202205180155K05910_L2SG_NWLRK_3000_NWLR_490.tif

コマンド説明
  • gdal_merge:複数ファイルをまとめるgdalコマンド
  • -separate:ファイルを個別に格納します
  • -of GTiff:GeoTIFF出力
  • -a_nodata:無効値の設定
  • -ot UInt16:符号なし16bit
  • -co COMPRESS=LZW:LZW圧縮
  • -o:出力ファイル名を設定します。出力ファイル名に続けて、RGBに割り当てたい順番で、入力ファイルを指定します。QA_flagファイルを併せて格納できます。

物理量等の変換係数(slope/offset)は、以下のコマンドで指定します。

>gdal_edit -scale 0.0012 0.0012 0.0012 -offset -10 -10 -10 NWLR_R670_G565_B490.tif

コマンド説明
  • gdal_edit:GDAL_METADATAタグにslope/offsetを設定するgdalコマンド。すべて同じ値であれば、gdal_translateでも設定可能。
  • -scale:sloleの値を、RGB(1,2,3・・)の格納順番でGDAL_METADATAタグに設定します。
  • -offset:offsetの値を、RGB(1,2,3・・)の格納順番でGDAL_METADATAタグに設定します。
  • NWLR_R670_G565_B490.tif:slope/offsetを設定するファイル名

合成画像をQGISで表示

3)Level3プロダクト変換時のgdalコマンド例

gdalコマンドを利用するため、OSgeo4W Shellを起動します。
(OSgeo4W Shellは、通常のインストールであれば、Windowsスタート > QGIS 3.22.8 > OSgeo4W Shellをクリックすると起動できます。)
GeoTIFF変換するデータが格納されているディレクトリに移動します。

下記は、Cドライブ直下のsgli_dataフォルダに変換するデータがある例です。

コマンドは、Image_data内のSD配列 CHLA_AVEを地図投影して、LZW圧縮したGeoTIFFファイルとして出力します。
画素値65535を無効値として設定し、attribute(メタ情報)内のslope、offset値をGDAL_METADATAタグに格納します。
slope、offset値は、gdalinfoコマンドやHDFView(ツールのダウンロードが必要です)等で確認できます。
表示例は、<Level2/Level3海洋プロダクトのSD配列名確認方法>をご覧ください。

>cd C:\sgli_data
>gdal_translate -of GTiff -a_srs EPSG:4326 -a_ullr -180 90 180 -90 -a_nodata 65535 -a_scale 0.0016 -a_offset 0 -co
COMPRESS=LZW HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_CHLAF_3000.h5"://Image_data/CHLA_AVE L3CHLA_output.tif

コマンド説明
  • gdal_translate:フォーマット変換コマンド
  • -of GTiff:GeoTIFF出力
  • -a_srs EPSG:4326:入力ファイルの参照座標系を設定します。
  • -a_ullr -180 90 180 -90:左上、右下の座標値(経度、緯度)を設定します。
  • -a_nodata 65535:無効値の設定
  • -a_scale, -a_offset:slope, offset値を設定します。
  • -co COMPRESS=LZW:LZW圧縮を設定します。
  • HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_CHLAF_3000.h5"://Image_data/CHLA_AVE:gdalinfoで表示したときの変換対象のSUBDATASET_X_NAMEの情報(X:数字)
  • L3CHLA_output.tif:出力ファイル名を設定します。

変換画像をQGISで表示

左下のレイヤ情報では、物理量値(mg m^-3)に変換された値が表示されます。

4)Level2/Level3プロダクトのQA_flag適用のgdalコマンド例

GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール」で作成したSSTデータに、QA_flagの情報を適用する例を紹介します。
SST同様、Image_data内のQA_flagを「GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール」でGeoTIFFに変換しておきます。
以下のコマンドは、SSTのQAに設定されている1画素内の13bit(Acceptable)、14bit(Good)目のフラグが「1」のデータを抽出します。フラグは「0」または「1」です。
SSTのQA_flagの情報は、EORC GCOM-Cサイトの「プロダクトとアルゴリズム」( https://suzaku.eorc.jaxa.jp/GCOM_C/data/update/Algorithm_SST_ja.html) でご確認頂けます。

>cd C:\sgli_data
>gdal_calc -A GC1SG1_202209090139J05310_L2SG_SSTDK_3001_QA_flag.tif --outfile=SST_QA_flag.tif --calc="(bitwise_and(right_shift(A, 13), 3) > 0) * 1" --NoDataValue=65535

コマンド説明
  • gdal_calc:データ内の計算をするgdalコマンド
  • -A:計算式で使用するファイル名を「A」に設定
  • GC1SG1_202209090139J05310_L2SG_SSTDK_3001_QA_flag.tif:計算対象のファイル名
  • --outfile:計算結果の出力ファイル名を任意に設定
  • --calc:計算式を設定
  • right_shift:bit情報を右にずらします。上位bitのみを残します。
  • bitwise_and:bitのand計算をします。
  • --NoDataValue:無効値を設定

※right_shift(A, 13)・・・・Aのある画素値(10進数:18431)「0100011111111111」があったとすると、13個分右にシフトします。「010」のデータになります。(A >> 13)で置き換えできます。
※bitwise_and(A, 3) ・・・・Aの画素値に対して「11」(10進数:3)のビット演算をします。元データの13,14bitを抽出します。(A & 3)で置き換えできます。

010(2)
bitwise_and011(3)
---------------------
010(2)

(0 and 0 --> 0, 1 and 1 -->1, 0 and 1 --> 0)

※(A > 0)* 1 ・・・・・・・Aの値が"0"より大きければ"1"を割り当てます。(A > 0)式を満たさなければ、"0"になります。 便宜上、"*1"を設定していますが、式を満たせば"1"となりますので、"*1"は設定しなくても支障ありません。

作成したQA_flagデータを用いて雲の影響のないSSTデータを作成します。

>cd C:\sgli_data
>gdal_calc -A GC1SG1_202209090139J05310_L2SG_SSTDK_3001_SST.tif -B SST_QA_flag.tif --outfile=SST_QA.tif --calc="(A > 65531) * 65535 + (A <= 65531) * (B == 0) * 65535 + (A <= 65531) * (B == 1) * A" --NoDataValue=65535

コマンド説明
  • gdal_calc:データ内の計算をするgdalコマンド
  • -A, -B:計算式で使用するファイル名を「A」及び「B」に設定
  • GC1SG1_202209090139J05310_L2SG_SSTDK_3001_SST.tif:計算対象のファイル名「A」に設定
  • SST_QA_flag.tif:フラグを抽出したファイル名「B」に設定
  • --outfule:計算結果の出力ファイル名を任意に設定
  • --calc:計算式を設定
  • (A > 65531) * 65535:Aデータの有効値(0~65531)以外を無効値に割り当てます。
  • (A <= 65531) * (B == 0) * 65535:Aデータが有効値内で、Bデータが"0"のデータを無効値に割り当ています。
  • (A <= 65531) * (B == 1) * A:Aデータが有効値内で、Bデータが"1"のデータはAの値をそのまま残します。ここで、slope/offsetを用いた計算も可能です。

gdal_editでslope/offsetを設定します。

>gdal_edit -scale 0.0012 -offset -10 SST_QA.tif

QA_flagを適用したSST画像をQGISで表示

Level3プロダクトのQA_flagの適用もLevel2と同様です。QA_flagは8bitデータです。
以下は、入力データがない画素、エラーフラグのある画素を除外する例です。

>gdal_translate -of GTiff -a_srs EPSG:4326 -a_ullr -180 90 180 -90 -co COMPRESS=LZW HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_CHLAF_3000.h5"://Image_data/CHLA_QA_flag L3CHLA_QA_flag_output.tif

>gdal_calc -A L3CHLA_QA_flag_output.tif --outfile=L3CHLA_QA_flag_output2.tif --calc="(A > 253) * 0 + (A <= 253) * 1"
>gdal_calc -A L3CHLA_output.tif -B L3CHLA_QA_flag_output2.tif --outfile=L3CHLA_QA_output.tif --calc="(A > 65534) * 65535 + (A <= 65534) * (B == 0) * 65535 + (A <= 65534) * (B == 1) * A" --NoDataValue=65535
>gdal_edit -scale 0.0016 L3CHLA_QA_output.tif

QA_flagを適用したCHLA画像をQGISで表示

5)Level2/Level3海洋プロダクトのSD配列名確認方法

> SD配列名については、下記<Level2/Level3海洋プロダクトのSD配列名>をご覧ください。
詳細については、EORC GCOM-C「標準プロダクトとアルゴリズム」のサイトをご確認ください。

SD配列は、以下の方法でご確認いただけます。Level3プロダクトのGeoTIFF変換では、gdalのgdalinfoをご利用ください。

gdalinfo HDFView

QGISを標準インストールしている場合は、OSGeo4W Shellをご利用ください。
(スタートメニュー > QGIS 3.22.8 > OSGeo4W Shell)バージョン3.22の場合
変換対象のデータがあるディレクトリへ移動して、gdalinfoの後にファイル名を入力します。
Image_data_xxx_Offset, Slopeが、gdalではoffset, scaleに対応します。
SUBDATASETの「Image_data/」の後ろがSD配列名です。gdalでの変換には、下線部分を指定します。

Level3 CHLAの表示例
(1)Image_data内のSD配列名
(2)Geometry_data内のSD配列名(含まれない場合フォルダのみ)
(3)CHLA_AVEの付加情報、slope, offset情報等

>gdalinfo GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_CHLAF_3000.h5

Image_data_CHLA_AVE_Error_DN=65535
Image_data_CHLA_AVE_Maximum_valid_DN=65534
Image_data_CHLA_AVE_Minimum_valid_DN=0
Image_data_CHLA_AVE_Offset=0
Image_data_CHLA_AVE_Slope=0.0016
Image_data_CHLA_AVE_Unit=mg m^-3
・・・・・・
Subdatasets:
SUBDATASET_1_NAME=HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_CHLAF_3000.h5"://Image_data/CHLA_AVE
SUBDATASET_1_DESC=[4320x8640] //Image_data/CHLA_AVE (16-bit unsigned integer)
SUBDATASET_2_NAME=HDF5:"GC1SG1_20220701D01M_D0000_3MSG_CHLAF_3000.h5"://Image_data/CHLA_QA_flag
SUBDATASET_2_DESC=[4320x8640] //Image_data/CHLA_QA_flag (8-bit unsigned character)


6)Level2/Level3海洋プロダクトのSD配列名

  プロダクト名 物理量等 ID 主なSD配列名
L2
正規化海水射出放射輝度 等

正規化海水射出放射輝度

NWLR

NWLR_380, NWLR_412
NWLR_443, NWLR_490
NWLR_530, NWLR_565, NWLR_670

光合成有効放射

PAR

大気補正パラメータ

TAUA_670, TAUA_865

水中特性(クロロフィルa濃度 等)

有色溶存有機物吸光係数

IWPR

CDOM

クロロフィルa濃度

CHLA

懸濁物質濃度

TSM

海面水温

海面水温

SST_

SST
Cloud_probability
L3
正規化海水射出放射輝度(380nm)

正規化海水射出放射輝度

L380

L380_AVE

正規化海水射出放射輝度(412nm)

L412

L412_AVE

正規化海水射出放射輝度(443nm)

L443

L443_AVE

正規化海水射出放射輝度(490nm)

L490

L490_AVE

正規化海水射出放射輝度(530nm)

L530

L530_AVE

正規化海水射出放射輝度(565nm)

L565

L565_AVE

正規化海水射出放射輝度(670nm)

L670

L670_AVE

光合成有効放射

光合成有効放射

PAR_

PAR_AVE

大気補正パラメータ(670nm)

大気補正パラメータ

T670

T670_AVE

大気補正パラメータ(865nm)

T865

865_AVE

クロロフィルa濃度

クロロフィルa濃度

CHLA

CHLA_AVE

懸濁物質濃度

懸濁物質濃度

TSM_

TSM_AVE

有色溶存有機物吸光係数

有色溶存有機物吸光係数

CDOM

CDOM_AVE

海面水温

海面水温

SST_

SST_AVE

7)物理量変換方法

「GCOM-C SGLI地図投影・GeoTIFF出力ツール」でGeoTIFF変換した時に、同時に作成されるxmlファイルに物理量等変換の係数(slope/offset)が出力されます。
テキストエディタやブラウザで表示します。

以下は、SSTのxmlの例です。
<Data_description>内の計算式に、<Slope>、<Offset>の値を代入して、画素値の値を物理量に変換します。単位は、度[degree]です。
<Data_description>Sea Surface Temperature[SST]: SST[degree]=DN*Slope+Offset</Data_description>
<Slope>1.200000e-003</Slope>
<Offset>-1.000000e+001</Offset>

gdalコマンドで計算する場合は、以下のコマンドで度[degree]に変換された値が格納されます。
Splope,Offset値は、「1.200000e-003, -1.000000e+001」のままでも問題ありません。

>gdal_calc -A input.tif --outfile=output.tif --type=Float32 --calc="A * 0.0012 - 10" --NoDataValue=65535

8)データ品質フラグ(QA Flag)の確認

プロダクトの品質フラグ(QA_Flag)は、16bitまたは8bitの各bitのON(1)、OFF(0)の情報として格納されています。
プロダクトの品質情報は、Ver.3情報の「標準プロダクト&アルゴリズム」 ( https://suzaku.eorc.jaxa.jp/GCOM_C/data/product_std_j.html )の各プロダクトページ「QA_flag情報」で確認いただけます。

ビット番号 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 2 1 0
値(例) 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

9)GeoTIFF Tag情報

分類 Tag ID 名称
TIFF Field
258

BitPerSample

サンプルビット数

8 or 16
32(物理量変換時)

259

Compression

圧縮方式

1:圧縮なし
5:LZW(圧縮指定時)

257

ImageLength

イメージ長

画像のライン数

256

ImageWidth

イメージ幅

1ライン当たりのピクセル数

274

Orientation

走査方向

1:TopLeft(画像は表示どおりに保存)

262

PhotometricInterpretation

色表現形式

1:BlackIsZero(グレースケールイメージの0を黒として表示)

284

PlanarConfiguration

画像格納順

1:ピクセル優先モード(画素順次)(例)RGBRGBRGB……
2:プレーン優先モード(面順次)(例)RRR……GGG……BBB……

339

SampleFormat

データ種別

1:符号なし整数
3:単精度浮動小数点(物理量変換時)

277

SamplesPerPixel

画素サンプル数

格納チャンネル/バンド数

278

RowsPerStrip

ストリップあたりのライン数

ストリップあたりのイメージデータのライン数。

42112

GDAL_METADATA

GDAL_METADATA

設定によりslope, offset値が格納されます。

42113

GDAL_NODATA

GDAL_NODATA

GDALライブラリで使用され、透明として扱います。
GeoKey
34735

GeoKeyDirectoryTag

GeoKeyディレクトリ

GeoKeyディレクトリを格納

34736

GeoDoubleParamsTag

GeoDoubleパラメータ

Double値のGeoKeyを格納

34737

GeoAsciiParamsTag

GeoAsciiパラメータ

ASCII値のGeoKeyを格納。

33922

ModelTiepointTag

タイポイント

タイポイント情報。画像位置(I、J、K)と地理座標(X、Y、Z)
(I、J、K、X、Y、Z)で表示。

33550

ModelPixelScaleTag

ピクセルスケール

ピクセルの水平、垂直方向の間隔を指定。2次元ではScaleZ=0。
(ScaleX、ScaleY、ScaleZ)で表示。

1024

GTModelTypeGeoKey

地理座標情報種別

1:ModelTypeProjected(投影座標系)
2:ModelTypeGeographic(緯度-経度)

1025

GTRasterTypeGeoKey

ラスター種別

1:RasterPixelIsArea(1ピクセルがエリアを表す)

1026

GTCitationGeoKey

CRS引用

Geographic(Lat/Lon)/ WGS84
PS / WGS84(PS指定時)

2054

GeogAngularUnitsGeoKey

角度単位

9102:Degree

2048

GeographicTypeGeoKey

地理座標系種別

4326:WGS84

2049

GeogCitationGeoKey

地理座標系引用

WGS 84(gdal変換時)

3072

ProjectedCSTypeGeoKey

投影座標参照系(ユーザ定義)

32767:ユーザ定義(PS指定時)

3073

PCSCitationGeoKey

投影引用

GeoASCII情報
Geographic(Lat/Lon)/ WGS84
PS / WGS84(PS指定時)

3074

ProjectionGeoKey

投影方式

32767:ユーザ定義(PS指定時)

3075

ProjCoordTransGeoKey

座標変換方法

15:CT_PolarStereographic(PS指定時)

3076

ProjLinearUnitsGeoKey

線形単位

9001:Linear_Meter(PS指定時)

3081

ProjNatOriginLatGeoKey

原点緯度

71(北半球)、-71(南半球) 投影面緯度(PS指定時)

3082

ProjFalseEastingGeoKey

投影原点東距

0(PS指定時)

3083

ProjFalseNorthingGeoKey

投影原点北距

0(PS指定時)

3095

ProjStraightVertPoleLongGeoKey

極から垂直な経度

0(PS指定時)